想われて・・・オフィスで始まるSecret Lovestory
「未熟な、恥ずかしい真似をしてしまって、佐倉さんを巻き込んでしまって申し訳なかったと思っています。」

「僕は後悔していない」

「わたしは…」
後悔していないといったら、嘘になる。さっき口にしたように、未熟な恥ずかしいできごとだと思っているから。
受け止めきれずにいる、のが偽りない心境だ。

「———異動の話を受けてくれた」
静かに佐倉さんが言葉を重ねる。

「前の部署で行き詰まったまま、終わりたくなかったんです。新しいところで頑張って、それでもダメだったら悔いはないかなと思いまして」

「来てくれてよかった」

「ご期待に応えられるか自信はないんですけど、精一杯頑張りますのでよろしくお願いします」
一息にそういって頭を下げる。

顔を上げると、試すようにこちらに視線を投げている佐倉さんと目が合った。
「それは恋愛も仕事も、と受け取っていいのかな」

恋愛も仕事も———佐倉さんのチームで働くのは、そういうこと。
このひとに釣り合う自信なんてないけど、行くと決めたのは自分だから。

はい、と短い返事とともにわたしはうなずいた。
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