切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
『美月ちゃん、眉間にシワ寄ってるよ』
私の眉間をツンと突くと、彼は私のテーブルにコーヒーとケーキを置く。
ぎゃぁ~!と声のない悲鳴をあげ、眉間を手で押さえる私。
だが、ケーキに目が行き、首を傾げた。
『あれ? ケーキは頼んでないですけど』
『うちの新作のオレンジのタルト。食べてみて』
『え? いいんですか?』
いつもコーヒー一杯とかで閉店までいるのに、ケーキまでご馳走になるなんてなんだか申し訳ない。
『女の子の感想聞きたくて。その数学の問題も解けてないみたいだし、頭に栄養をあげないとね』
玲司さんが私が格闘していた数学の参考書に目を向けた。
『微分って苦手なんですよね』
苦笑いしながら答えれば、彼が私の手からシャーペンを奪い、ノートに書き込む。
『ここはこの公式を使って、増減表を書いていくといいよ』
優しく教えてくれるが、彼の顔がすぐそばにあってドキドキ。
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