切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
『良かった。安心して出せそうだな』
少しホッとした顔をする彼をじっと見る。
『玲司さんが作るものならなんだって美味しいですよ』
実際、このお店のカレーやパスタは絶品。
千円もしないのに、高級店のような味を楽しめる。
『お菓子やカレーは作るけど、普段料理は全然しないんだ』
彼の意外な告白に驚いた。
『え〜、そうなんですか?』
『僕にとっては食べるのが義務っていうか、口に入れば食パン一枚でも、サラミ丸ごと一本でもなんでもいいって感じかな』
普段の玲司さんからは想像できない。
マメに料理してそうなのに。
『それじゃあ、病気になりますよ』
玲司さんの身体が心配になって注意すれば、彼は小さく笑った。
『今のところは大丈夫。健康体だからね』
そんな感じで和やかに話をして、私がケーキを食べ終わると彼はカウンターに戻っていった。
多分私を気遣って一緒にいてくれたのだろう。
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