切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
一階に湯畑への専用の通路があって、長い廊下を抜けてドアを開ければ、石段があった。
すでに筋肉痛の私。
ぎこちない動きで階段を降りれば、玲司さんに笑われた。
「もしかして、さっきの山寺の階段で筋肉痛?」
「うっ……そうです」
もう笑うなら笑って下さい。
少し拗ねる私の手を彼が掴む。
「転んで頭打ったら困るから」
玲司さんは笑いを噛み殺しているが、そんな姿にもときめいてしまう。
ああ〜、私そのうちキュン死するかも。
五十段ほど階段を降りると、男女別々の脱衣場があった。
「あっ、ここ混浴だから。また後でね」
極上のスマイルで言って玲司さんは男性用の脱衣所に消えて行く。
え?
混浴〜!
そんなの無理でしょう?
パニックになって脱衣所に入るのを躊躇う私。
でも、玲司さんのジョークかも。
そう思い直して脱衣所に入ると、作務衣を着た宿の女性がタオル地の湯あみ着を渡してくれた。
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