切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「昔話の世界にいるみたいですね」
すでに串に刺さった岩魚、牛肉、とうもろこしやネギといった野菜も用意されていて、わくわくする。
「たまにはこういう雰囲気もいいよね」
にこやかに相槌を打つ玲司さんに改めて礼を言う。
「連れて来てくれてありがとうございます」
「何急にかしこまって。そろそろその敬語止めようか」
玲司さんがちょっと悪魔な顔で注意するのでビクッとした。
「でも、玲司さんは私よりも年上だし、家主だし……」
玲司さんの目を見ながら言い訳したら、彼は不機嫌顔になる。
「敬語って礼儀正しいけど、もう俺の前で礼儀正しくする必要はないよ。俺達はもう家族みたいなもんじゃないか。朝同じ物食べて、同じ家に帰って、一緒に寝る。他人じゃないだろう?」
玲司さんの言葉に胸がジーンとする。
家族……か。
嬉しい……けど、彼は私の兄でも父親でもない。

< 143 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop