切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
ペコペコ頭を下げれば、「いいよ。山寺行って疲れたんだよね。でも、俺ちょっと足が痺れたかも」と玲司さんは苦笑いしながら立ち上がるが、身を少し屈めていた。
きっと、足がジンジンしてるんだ。
「わー、ぐーすか寝ちゃってすみません。玲司さんの方がずっと運転して疲れてるのに」
謝りながら彼に手を貸す。
壁時計を見れば午後六時を回っていた。
湯畑から戻ったのが四時くらいだから、二時間も寝ていたの?
そりゃあそんだけ膝枕したら足が痺れるよ。
「玲司さん、叩き起こしてくださいよ」
彼に文句を言ったら、「美月の寝顔見てると可愛いくてね」なんて女殺しのセリフを返された。
この旅館は夕食は部屋出しも選べるそうなのだが、囲炉裏料理を味わえるらしい。
一階にある食事処に行くと、衝立で半個室になっている囲炉裏に案内された。
玲司さんとふたり並んで座り、周りを見回す。
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