切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
「……特別か」
なんだろう。
自然と顔がほころぶ。
そんな俺に向かって、彼女は可愛い願望を口にした。
「私も玲司さんと同じ年に生まれたかったなあ。一緒に机並べて勉強したかった。今度玲司さんの学生時代の写真見せてね」
ハニカム笑顔で俺に接する美月もいいが、俺に甘える彼女も見ていてホッコリする。
ポンポンと優しく美月の頭を叩き、笑顔で返した。
「いいよ。うちに帰ったら見せてあげる」
……心が温かい。
この感情は何だろう。
ずっと美月を見ていたくなる。
そう思った時、三日前の晴人とのやり取りを思い出した。

『……えーと、咄嗟に浮かばなくって……考えときます』
ドライブに誘って美月がそう答えた時から、絶対にどこかに連れて行こうと考えていた。
ちょうどゴールデンウィークも近かったし、道路の混み具合を考慮しながら行き先を東北に決めて宿を手配。
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