切愛願望~極上御曹司の庇護欲からは逃げられない~
ノワールは今は閉店してしまったけど、晴人さんもうちの会社にいるのかと思うとなんだか心強い。
玲司さんも私と同じように感じているかも。
頑張って仕事しなきゃ。
その日はたまに渡辺君の視線を感じたけれど、いつもと同じように業務をこなしていく。
佐藤先輩に頼まれて古いファイルを総務から少し離れたところにある倉庫に持っていくと、なぜか渡辺君が倉庫のドアのところにいて……。
「お前、今日も常務に何か言われたみたいだけど、やっぱり専務と付き合うのはやめたら?そのうち捨てられるぞ」
真剣な表情で私に忠告する彼の言葉に反発した。
「渡辺君には関係ない! それに玲司さんはそんな酷い人じゃないよ!」
「お前はボーッとしてるから簡単に騙されるんだよ!」
渡辺君は私の両肩を掴み、壁際に追い詰める。
「騙されていない。私のことは放っておいてって言ったじゃない!」
「お前が不幸になるのわかってるのに放っておけるかよ。俺……お前が好きなんだ」
思わぬ彼の告白に思考が停止した。
え?
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