あなどれないね、世唯くん。



この前、足首をくじいて世唯くんに保健室に連れていかれたとき。

あのとき、真尋くんにぜったい何かを感じられたかもしれない。


そもそも前から薄々気づかれているような気はするけれど。


「おぉっ、お2人さん作業は順調ですかー?」

ボーッとしながら作業をしていると、テンション高めな寿々がこちらを覗きにきた。


「青山お前今日居残りなの?」

「んー、いや別に?ただいい感じのお2人さんを冷やかしにきただけですー」


この前、真尋くんのことを相談してから寿々はすっかり真尋くん派になってしまい、今もニタニタしながら交互にわたしと真尋くんを見ている。


「冷やかしにきたなら帰れよなー」

「えぇーー。あっ、あれか。もしや糸羽と2人っきりの時間を過ごしたいからわたしはお邪魔ってこと?」


「やっ、別にちげーよ」

「ほーう、挙動が不審だぞ藍野よ」


なんか真尋くんが寿々のおもちゃになってるように見えてきた。

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