あなどれないね、世唯くん。



おろしてほしいと頼んでもなかなかおろしてもらえない。


あっ、でもお母さん家にいないみたいだし、別にこのままでいても問題な━━━━━。


「あらっ、糸羽?」

あったぁぁぁ……。

後ろから聞こえてきた声は間違いなくお母さんのもので。

世唯くんが無視してそのまま歩いてくれればよかったのに、振り返ってしまい……。


「えっ、やだ。どうしたの!」

と、体調の心配をしてくれたのかと思いきや。


「こんなイケメンに抱っこされて!」

……なんて、そっちのほうかい……!


瞳をキラキラ輝かして、このイケメンは誰!?って顔でわたしを見てくる。

もう……いい年なんだから、落ち着いてくれたらいいのに。


すると勘のいいお母さんは、すぐさま何かを察したらしく……。

「も、もしかして噂の糸羽のイケメン彼氏くん!?」

なんて、はしゃぎまくりで。

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