あなどれないね、世唯くん。
教室を出てから、屋上に近い階まで階段をひたすら上る。
こんなに上の階は来たことがない。
だって最上階の教室は、ほぼ使われていなくて、人の出入りは少ないって聞いたことがあるから。
しかも階を上るごとに、だんだん暑さが増してきて身体から汗がジワリと出てくる。
早いところ涼しい場所に避難したい…なんて思っていたら、ある階でストップし、そこの廊下を一直線ひたすら歩いて角の部屋。
明らかに使われていなさそうなのに。
千景くんがズボンのポケットから鍵を取り出して、かかっていたはずの鍵がガチャッと音を立てて開いた。
「ここ、俺の秘密基地」
「ひみつ、きち……?」
中は外よりは蒸し暑くなくて、すごく小さな小部屋。
まさに隠れ家っていうか、秘密基地って言葉が似合う。
少し大きめのガラステーブルと、そばに小柄な人が1人横になって寝れそうなくらいのソファがあるくらい。
あとは使われていないであろう、古びたロッカーが壁際に置かれているくらい。