あなどれないね、世唯くん。
「俺だけの秘密基地だったけど。
花町さんも知ったから、これで共犯だね」
「きょ、きょうは……っ!?」
えっ、なんかとんでもないことに巻き込まれそうになってる!?
「ジョーダンなのに。
別にワルイコトしてるわけじゃないよ」
「いや……学校の一室の合鍵らしきもの持ってる時点でワルイコトじゃ……」
ほんと、千景くんって謎多き人。
「そうだね、俺は花町さんが思ってるよりワルイコトしてるかもしれない」
なんで笑顔で言いながら、わたしの唇に人差し指を軽くトンッてのせてくる。
「……誰にも言っちゃダメだよ。
俺と……糸羽の秘密ね」
今たしかに、"糸羽"って呼んだ……。
ただ下の名前で呼ばれただけなのに、こんなにも胸がキュッて縮まるのは変だ。
「下の名前……知っててくれた…の?」
「興味ある子の名前は覚えるよ」
この興味が、なんの対象なのかわかんないのが少し苦しく感じた。