あなどれないね、世唯くん。



「と、とにかくこれは早退だよ!
保健室に行って早退させてもらおう?お家の人に迎えに来てもらえるように連絡して━━━」


「……両親、いま海外」

「か、海外…!?」


話を聞くと、世唯くんのお父さんは大きな商社に勤めているらしく、今は海外支社にいるそう。
お母さんもそれについて行っているみたい。

世唯くんは学校があるので日本に残ることを決めたみたいで。

兄弟もいないらしくて、いま一人暮らしをしているらしい。


「ど、どうしよう……っ。こんな状態の世唯くん放っておけないよ…」

さすがに、こんな発熱状態の世唯くんを1人で帰すわけにもいかないし…。


「んー……じゃあ、いとが看病して?」

「へ……っ?わ、わたし?」


ということで……。


急いで保健室へ世唯くんを連れて行き、養護教諭の先生にすぐ早退だと言われ。

世唯くんの家の状況を話し、わたしがつきそいで一緒に世唯くんの家に行くことに。

< 62 / 339 >

この作品をシェア

pagetop