愛するオトコと愛されないオンナ~面食いだってイイじゃない!?
「大学を卒業してから、俺は父の会社で働き始めました。
俺は長男ですし、そうすることはごく当たり前のことで、行く行くは俺が会社を継ぐものだと思ってました。
だけど、何年か働いた頃、親父が大きな詐欺にひっかかってしまったんです。
会社も自宅も乗っ取られてしまい、唯一残った別荘を売って、俺達は狭いマンションを買い、そこに移りました。」

突然のカミングアウトに、私はどう答えたら良いのかわからなかった。
確かに、話をするきっかけを作ったのは私だけど、まさかこんな話に繋がるなんて、思ってもなかったよ。
私が黙ってたせいか、八重樫さんは、一息置いてからさらに言葉を続けた。



「これから先、どうしようか?って家族で頭を抱えていた時…
シュウが連絡をくれたんです。
人が足りなくて困ってるから、俺と、親父に仕事を手伝ってくれないかって。
詳しいことは何も言わず…
なんとか頼む!って、すごく強く誘ってくれた。
それも、専務というポストでです。
いくら自分の会社だとはいえ、そんな人事をするのは難しかったと思います。
俺たちが惨めな想いをしないように、シュウは気遣ってくれたんです。」

「……そうなんですか……」

柊司さん、昔から八重樫さんのことがとても好きだったんだね。
だから、そんなことを…
きっと、放っていられなかったんだ。
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