卑劣恋愛
☆☆☆

夜中の2時頃、あたしは目を覚ましていた。


昨日も同じ時間にトイレに行きたくなったけれど、今日もだった。


あたしは大あくびをしながら階段を下りていく。


寝起きで頭はボーッとしていたけれど、廊下の突き当りにあるドアの下から光が漏れているのを確認して、完全に目が覚めた。


また、父親の書斎だ。


しかし、今日はしっかりとドアが閉められているので中を覗く事は難しそうだ。


そう考えながらもあたしは右手のトイレのドアを通りすぎて、書斎の前まで来ていた。


そっと耳を澄ませていると、中からゴンッゴンッと鈍い音が聞こえてくる。


途端に昨日見た藁人形を思い出していた。


お姉さんの写真を藁人形に張り付けて、五寸釘を打ちつける父親の姿。


あたしは背筋に冷たい物を感じながら、ゴクリと唾を飲み込んだ。

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