とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
「真琴くんには、正直にあの事件の真相を言ってたの。で、一矢くんも華怜も式に呼びたいのなら、二人を和解させようって、彼がはっちゃけちゃって」

「ほうほう」

「一矢くんに華怜の仕事場を教えてしまったの。私がパソコン画面に華怜の住所表示したまま寝落ちしちゃってて、私が悪いし」

「気にしなくていいよ。でも中学生の時の同級生同士の結婚ってことは、同級生が沢山くるんでしょ。じゃあ、私、欠席するね」

「……華怜」

 泣きじゃくる美里の隣に座り、シュークリームにかぶりついた。

 むにゅっと生クリームとカスタードクリームが下から飛び出してきて慌てて二口目を頬張る。

 美味しいは正義。美味しいシュークリームの前では、全く気にならない。

 ただ、同級生ってことは私の髪の事件を覚えているかもしれない。

あのあと、うちの親が激怒してカズ君だけじゃなく、イジメ首謀者と取り巻きが謝ってきても許さなくて、私は私立のカトリック系の女学園中等部に転校を余儀なくされた。

 放心していた私は、誰のことも許してあげるような心の余裕はなかった。

 親や同級生から散々責められ、私からも許されなかった彼、彼女らのことを同情してしまう。

ので、会ってもいい思いはしない。美里の結婚式をお通夜みたいな状態にしたくない。

 私は行かない方がいい。

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