とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
三十分で来るという言葉は本当で、タクシーで帰ってハンバーグを焼いてバタバタとしていたらインターフォンが鳴った。

『あの……夜分遅くすみません。お、お義姉さん』

「……っ」

お姉さん……?

インターフォンの向こうの彼女は、先日見た時と同じ指先から頭の先まで洗練された綺麗な人だった。

でも今は、とても可愛い。『お義姉さん』って言葉を頬を染めて言う姿は、私も照れるけど嬉しい。こんな綺麗な人と仲良くなれるかもしれないと心が躍っていた。

『あの、すぐに帰ります。夫がもう駅まで迎えに来てくれるんです。その……お義姉さんに挨拶したくて』

その言葉に、中途半端に焼いたハンバーグの火を止め蓋をして一階にダッシュしたのは言うまでもない。

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