とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
頷くと、照れくさそうに顔をくしゃくしゃにした。

「身体、平気? 何か飲む?」

髪を撫でられながら言われて、私は縦に首を振る。

「もっと触っていいよ」

撫でてって素直に言えばいいのに、可愛くない言葉が代わりに飛び出してしまった。

「華怜の髪、やっぱり好きだな。綺麗だ」

うるさかった雨の音がまた止んだ。雨の音なんて気にならないぐらい、私は目の前の一矢くんに集中してしまったんだ。

彼が嬉しそうに私の髪を撫でる。

昔に戻ったような、不思議な心地よさだ。

「……また、伸ばそっかな」

「え?」

「髪。また、伸ばそうかな」

 もう一度、一矢くんの両手に私の髪を乗せてみたい。

もっと長く、触れていてもらえたい。

「――え……っ」

ただ私の願望を言葉にしただけなのに、微笑んでいた一矢くんの目から一滴涙が零れ落ちた。

「一矢くん!?」

起き上がると、何も身に着けていなかったのでシーツを胸に手繰り寄せる。

が、間違いじゃなければ、彼は間違いなく涙がこぼれてる。

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