とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
 白鳥さんは「やっぱりね。いいタイミングだよ」と私の頭を撫でてきた。

「あんた、休日に休みいれていいね? これでバランスよくなるよ」

「私の方がいいんですかって感じなんですが……っ」

 こんなにうまい話ってあるのって驚くほどタイミングが良かった。

 一矢くんと休みがすれ違うのは、私たちだけじゃどうしようもなかったし。

「いいよいいよ。それまで私もしっかり産休や育休の制度を整えておかないとね」

「うーわー。店長まじ神対応。姑にしたい」

「誰がババアだよ。あんたが嫁に行くときには、さらに充実した福利厚生になるから。さっさと嫁にいきな」

「頑張って合コン参加します」

 息まく美香さんに、大きなため息を吐く白鳥さん。

 

美香さんと白鳥さんが漫才のような会話を始める中、私はこれほど幸せでいいのかとまだちょっと実感が湧いてこなかった。

 でも報告したら一矢くんは間違いなく喜んでくれそうだ。
< 197 / 205 >

この作品をシェア

pagetop