とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。
「なんで八月から、臨時講師する三月まで。新人入るし、私は店にいないことが多いから、あんた達で回してもらう日が増えるよ。予約ブッキングだけはなし。隠れて残業やめてね。あんたたちを信じて行動することが多くなるからね」

 私と美香さん、それと出勤していた同期数人が、返事をすると白鳥さんは慌ただしく奥に戻って出かける準備を始めた。

 うちは飲み会とか強要しないし、仕事中以外は関りがほぼないし人間関係はそこまで悪くはない。美香さんも一番話しやすいけどプレイベートまでは踏み込んでこないし。

「新人って言っても子どもが小学生になったからって復帰した年上とからしいし、やりにくくなるかもねえ」

美香さんが携帯で九月、八月のカレンダーを見ながらため息を吐いている。

来年の三月までって五か月ぐらいちょっと大変かもしれないだけだけど、もし海外旅行に行くとしたら、それ以降がいいってことか。

一矢くんも四月から新人入ってくるだろうし、旅行はまだ先かな。

「店長はああ言ってくれてるけど、旦那って社長なんでしょ。忙しいなら仕事辞めて支えるのもありでしょ」

「え。私、辞める選択肢全く考えてなかった」

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