とろけるような口づけは、今宵も私の濡れた髪に落として。


それからは美香さんや白鳥さんに、もし私に会いに来ても報告しないでほしいと告げた。

あまりにひどかったら出禁にしてほしいとまで頼んだ。

どうしても自分から連絡したくなくて、そうするしかなかったのだけど、お店に迷惑かけるなら考えなきゃいけないなって思っていた時だ。

 その日は雷注意報が朝から流れていた雨の週末。

美香さんは帰って、休みが取れなかった白鳥さんはようやく予約が途切れたので、ヘアサロンの店長である旦那さんと近くの居酒屋に遅すぎる昼夜ごはん。

 私は美里の付け爪を三つ、店に残って作っていた。

「華怜、遅くなってごめんね」

「いらっしゃい、美里」

 結婚式の前撮りだった美里が慌ただしくお店に飛び込んできた。

「雷が鳴って外での前撮りができなくなって、時間が押しちゃったの」

「えええ。雷鳴ってるの。やだな」

「私が車で送るよ」

「やった」

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