千紘さんのありがた~いお話
「俺はまだ読んでるから、お前、先に入れ」
と溜息をついて言う。
真昼が風呂に入っている間に読み終わったので、歯を磨くふりをして、洗面所に行ってみた。
すると、中から真昼が、
「千紘さん?」
と声をかけてくる。
湯船の中から反響した声で自分を呼ぶ真昼にどきりとしていたのだが。
真昼は、
「読みました? 最後まで。
私、あのラストの教会のシーンは――」
とさっきのホラー漫画について語り始める。
仕方ないので聞きながら、歯を磨いていると、真昼がピタリと黙った。
なんだ? と耳を澄ますと、水音に混ざり、
「あの……」
と小さな声が聞こえてくる。
そういえば、今朝、なにか言いかけてやめたようだが。
まさか、偽装結婚をやめるとか?
と歯ブラシを持つ手を止め、聞き入っていると、
と溜息をついて言う。
真昼が風呂に入っている間に読み終わったので、歯を磨くふりをして、洗面所に行ってみた。
すると、中から真昼が、
「千紘さん?」
と声をかけてくる。
湯船の中から反響した声で自分を呼ぶ真昼にどきりとしていたのだが。
真昼は、
「読みました? 最後まで。
私、あのラストの教会のシーンは――」
とさっきのホラー漫画について語り始める。
仕方ないので聞きながら、歯を磨いていると、真昼がピタリと黙った。
なんだ? と耳を澄ますと、水音に混ざり、
「あの……」
と小さな声が聞こえてくる。
そういえば、今朝、なにか言いかけてやめたようだが。
まさか、偽装結婚をやめるとか?
と歯ブラシを持つ手を止め、聞き入っていると、