極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
それで実乃里は昨日、この通り沿いの雑貨屋で、欲しくもない二千円の銀メッキの指輪を買ったのだ。
玄成以外の男性との出会いもなくなりそうだが、それは全く構わない。
諦めたとはいえ、折に触れて龍司を思い出してしまう実乃里なので、誰とも恋愛する気はなかった。
さて、効果はいかほどか……。
指輪を見せられた玄成は少しも落ち込むことなく、「ははん」と意味ありげに笑った。
体を斜めに向けると、かっこつけた仕草でレジカウンターに片手を突き、全てお見通しだと言いたげな得意顔で言う。
「いるんだよね、未婚なのに指輪してる子。前狙ってた子もそうだったから、俺にその手は通じないよ。指輪が単に好きだというなら、俺がもっといいもの買ってあげる。明日の十三時に駅の銅像前で待ち合わせして買い物に行こう。必ず来てよ。ずーっと待ってるから」
「ええっ!? 玄成さん、私デートはできませ……行っちゃった」
勝手な約束を押し付けた玄成が店から出ていってしまい、実乃里はため息をつく。
「伊藤さん、どうしよう」と調理台に振り向き、年下の彼女に助言を求めれば、「行ったら駄目ですよ」と怖い顔で注意された。
「行かないけど、待たれてると思うと、明日は落ち着かない一日になりそう」
「それが奴の狙いかもしれません。自分を意識させる作戦です。警察にストーカーとして相談してみるのは?」
「うーん、まだそこまでのことされてないから、警察はちょっとね」
連絡先を知られていないし、待ち伏せされたり後をつけられてもいない。
付き纏いは店内のみという状況で、ストーカー呼ばわりしていいものかと、実乃里は躊躇した。
もう少し様子を見ると肩をすくませた実乃里に、伊藤は真面目な顔をして別の提案をする。
「彼氏を作るのも手ですよ。できれば見た目がちょっと怖めで結構年上がいいと思います。強くて頼もしい守ってくれそうな彼氏ができればきっと、奴は諦めると思います」
玄成以外の男性との出会いもなくなりそうだが、それは全く構わない。
諦めたとはいえ、折に触れて龍司を思い出してしまう実乃里なので、誰とも恋愛する気はなかった。
さて、効果はいかほどか……。
指輪を見せられた玄成は少しも落ち込むことなく、「ははん」と意味ありげに笑った。
体を斜めに向けると、かっこつけた仕草でレジカウンターに片手を突き、全てお見通しだと言いたげな得意顔で言う。
「いるんだよね、未婚なのに指輪してる子。前狙ってた子もそうだったから、俺にその手は通じないよ。指輪が単に好きだというなら、俺がもっといいもの買ってあげる。明日の十三時に駅の銅像前で待ち合わせして買い物に行こう。必ず来てよ。ずーっと待ってるから」
「ええっ!? 玄成さん、私デートはできませ……行っちゃった」
勝手な約束を押し付けた玄成が店から出ていってしまい、実乃里はため息をつく。
「伊藤さん、どうしよう」と調理台に振り向き、年下の彼女に助言を求めれば、「行ったら駄目ですよ」と怖い顔で注意された。
「行かないけど、待たれてると思うと、明日は落ち着かない一日になりそう」
「それが奴の狙いかもしれません。自分を意識させる作戦です。警察にストーカーとして相談してみるのは?」
「うーん、まだそこまでのことされてないから、警察はちょっとね」
連絡先を知られていないし、待ち伏せされたり後をつけられてもいない。
付き纏いは店内のみという状況で、ストーカー呼ばわりしていいものかと、実乃里は躊躇した。
もう少し様子を見ると肩をすくませた実乃里に、伊藤は真面目な顔をして別の提案をする。
「彼氏を作るのも手ですよ。できれば見た目がちょっと怖めで結構年上がいいと思います。強くて頼もしい守ってくれそうな彼氏ができればきっと、奴は諦めると思います」