極艶恋~若頭は一途な愛を貫く~
ドアにはクローズの札がかかっており、店内照明は客席の方のみ一段階暗くしてある。
BGMも止め、聞こえるのは食洗機の稼働音のみであった。
(まずは客席の掃除から……)
制服のハンチング帽を脱いだ実乃里は、奥からモップを持ってきて床を掃く。
すると後ろにドアが開けられた気配がして、冷たい外気が入り込み、集めた埃がふわりと舞った。
「すみません、本日の営業はもうーー」
ドアに振り向いた実乃里は、言葉を切って固まった。
心臓が大きく跳ね、目を見開き、手から滑り落ちたモップがカウンターテーブルに当たって止まる。
「なんだ、もう閉店時間か」
店内に一歩入って後ろ手にドアを閉めたその人は、三年振りに聞く低く響きのいい声でそう言った。
長身でダークスーツの上に黒いコートを羽織り、逞しく精悍な顔立ちの男性は、龍司である。
実乃里としっかり視線を合わせているのに、少しも驚かないところを見れば、ここが実乃里の店だとわかって訪ねたようだ。
もしかすると彼もテレビ放送を見たのか、もしくは誰かから聞いて、この店を知ったのかもしれない。
BGMも止め、聞こえるのは食洗機の稼働音のみであった。
(まずは客席の掃除から……)
制服のハンチング帽を脱いだ実乃里は、奥からモップを持ってきて床を掃く。
すると後ろにドアが開けられた気配がして、冷たい外気が入り込み、集めた埃がふわりと舞った。
「すみません、本日の営業はもうーー」
ドアに振り向いた実乃里は、言葉を切って固まった。
心臓が大きく跳ね、目を見開き、手から滑り落ちたモップがカウンターテーブルに当たって止まる。
「なんだ、もう閉店時間か」
店内に一歩入って後ろ手にドアを閉めたその人は、三年振りに聞く低く響きのいい声でそう言った。
長身でダークスーツの上に黒いコートを羽織り、逞しく精悍な顔立ちの男性は、龍司である。
実乃里としっかり視線を合わせているのに、少しも驚かないところを見れば、ここが実乃里の店だとわかって訪ねたようだ。
もしかすると彼もテレビ放送を見たのか、もしくは誰かから聞いて、この店を知ったのかもしれない。