百物語は終わらない
目の前で、紫ちゃんがニコニコ笑っている。その正体を察し、私も出海も、勇気も冬子も身体を震わせて部屋から出ようとした。でも、襖が開かない。

「これで、ずっと百物語ができるね」

紫ちゃんはろうそくの炎を消す。暗闇の中に、私たちの悲鳴がいつまでも響いた。



20××年七月十三日、××県××市で四人の中学生が行方不明になった。

警察が必死で捜索したが見つからず、××年に捜索は打ち切られた。

山の中で四人の荷物が発見されたきり、四人に関する手がかりは見つかっていない。






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