百物語は終わらない
その子に対するいじめはどんどんエスカレートし、ついにその子は教室で首を吊って自殺したの。そして、怪奇現象が起きるようになった。

いじめっ子が階段を降りていると、急に誰かに突き飛ばされて大怪我をした。その時、いじめっ子しか階段にはいなかった。誰が突き落としたのかしら?

他にも、女の子のいたクラスの机が運動場に捨てられていたり、いじめっ子や先生が怪我をしたりしたの。瞬く間に、女の子の呪いだという噂が広まったわ。

その子は死んで、あの世へ行くことができなかった。それは、いじめっ子たちに対する怒りと、一人ぼっちの寂しさから旅立てないの。だから、その子は彷徨うことにした。

自分とともに怪談話を楽しんでくれる人を見つけるまで、ね。


私は目を見開く。どうして今まで不思議に思わなかったんだろう

転校生が来ることになるのなら、先生から事前に聞くはずだよ。例え、それが他のクラスであっても。でも、私たちは転校生が来るなんて話、一度も聞いてない……。
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