同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
同窓会を口実に呼び出したらいい。
十年目の節目の年だから強制参加って、結衣には後でダメ押ししてあげる。

ハガキはこれね。内容は後で改めてメッセージ送るから、あんたは中学校、この日入れる様に手を回しなさい。

で、結衣の住所はここにあるから、私の目の前で書いて。
この住所も個人情報だから、写真撮ったりしないでね。
これ以上の個人情報は結衣に直接聞きなさいよ。

あんた今、港北中で先生してるんでしょう?
結衣のトラウマ、解消出来るのはあんただけなんだから、頑張んなさいよ」

永木に後光が射して見えるのは気のせいだろうけど、でも俺にとって、永木は救いの神だ。

永木にお礼を言うと、永木の目の前で、差し出されたハガキに、メモ用紙に書かれてある住所と名前を丁寧に書いた。

そこに書かれていた住所は、以前西田が住んでいた地区にあるアパートだった。
あの地に愛着があるのだろうかと思ったけれど、職場が駅に近い場所と聞いていたから、通勤や買い物に便利なのだと気づいた。

ハガキに宛名を書き終えると、永木はそれらを回収する。

「これは十二月に入ってから投函する。
ハガキが届く日前後に結衣には連絡入れて、全員集合の強制参加って言っておくから。
後は上手くやりなさいよ。

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