同窓会〜あの日の恋をもう一度〜
 坂本は坂本で、過去に私を傷付けた事で嘘を吐く事はないと言い切った。だから、その面に関しては信用してもいいとは思っている。けれど……。

 どうやら自分が思っている以上に私は坂本の事が好きなのだろう。
 私、きっと重い女になりそうだ。

 それを悟られない様に気を付けなければ。

 再会して思いが通じ合ったあの日の夜、坂本は同窓会に参加しなかった。
 一緒に同窓会に参加しないかと言われたものの、やはり私には行く勇気が出なかった。
 坂本一人で参加してもらうつもりだったけど、坂本も翌日仕事始めだからと参加せず、結局は私と一緒に夕飯を食べて帰った。

 坂本も現在は地元の中学校が勤務先だから、自宅からの通勤だ。
 私は両親と妹が九州に引っ越した為こちらで一人暮らしをしているけれど、流石に付き合ったその日に彼を連れ込むなんて事は出来ないし、そこまで大胆になれない。
 坂本も、私が恋愛初心者だと言うのはきっと感じ取っているだろうから、そこまで踏み込んでも来ない。
 あれから校内の戸締りを一緒に確認して中学校を後にすると、坂本の車でドライブをして、正月から開いているショッピングモール内のフードコートで食事をしてアパートに送ってくれた。
 きっと私のペースに付き合ってくれているのだろうと思う。
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