···結婚の承諾


日本の最後の一日
ボスは、ゆっくりしてから
最愛の奥様に頼まれた物を買いに行く。

メイソンを伴わなくて
良いのか心配だったが
『サオリの方が心配でしょ。』
と、言われてしまい・・・

そう、私はあの日
日本を発ってから
久しぶりに日本に帰ってきた。

それは、ボスの帯同もあったが
この機会に両親に合ってきなさいと
絢ちゃんとボスに言われたのと
メイソンが
『もう、絢さんの元に帰したくない。』
と、言ってきかない。

絢ちゃんが
「良い機会だから、メイソンを
両親に会わせなさい。」
と、言いだして・・・

一緒にに実家に向かう。
メイソンは、新幹線の中でも
楽しそうにしているが
新幹線の中でも
メイソンをチラチラみる
女性達が、多くてうんざり・・・
等の本人は、至って気にせず
私にべったりで
キスしたり、髪に触ったり
肩を抱き締めたり・・・

新幹線を降りて
タクシーで実家に着く

久しぶりの実家だ。
回りも何も変わってない。

一応、帰省することは連絡している。
玄関のブザーを押すと
「は~い」と、母。
「沙織、おかえりなさい。
あっ、あの、いらっしゃいませ」
と、言う母に
「お邪魔します。」
と、日本語で答えるメイソンに
母は、びっくりしていたが
ホッとしたように微笑んだ。
玄関を上がり、リビングに入ると
父がいた。
「お父さん、ただいま。」
「おかえり、沙織。
さぁ、あなたもどうぞ」
と、メイソンに声をかけた。

メイソンは、
「お邪魔します。」
と、長い体をおって頭をさげる。

その姿を見て母は笑っていた。
「彼には、天井が低いかしら」
と、嬉しそうに言いながら
私とメイソンがソファーに座ると
母は、お茶で良いかしらと
言ってキッチンへといき
直ぐに戻ってきて
私達にお茶を配った。

メイソンは、それを見届けてから
「悠長な日本語でなくて
申し訳ありませんが
私は、沙織さんと結婚したいと
思っています。
一人娘の沙織さんを異国に
住まわせる事はご心配でしょうが
私達の結婚をお許し頂けませんか?」
と、ゆっくり言った。
「中々、きれいな日本語でしたよ。
私も家内も沙織の幸せが
一番です。
どうぞ、沙織を宜しくお願いします。」
と、父が言うと
メイソンは、母をみた
母が頷くと
「ありがとうございます。
必ず、幸せにします。」
と、頭を下げた。
私は、
「お父さん、お母さん、
何も言わずにアメリカに行って
ごめんなさい。
沢山、心配かけたと思っています。
それに、お母さん
マンションの引っ越しとかさせて
本当にごめんなさい。」
と、頭をさげると
「沙織が、無責任なことを
する子ではないのは、私と母さんが
一番わかっているからね。
元気かな?とは
思っていたけど
絢ちゃんのところにいるから
余計に心配していなかったよ。」
と、言う父に涙が溢れた。

そんな私の涙をメイソンが
親指で拭くと
母がハンカチを渡してくれた。

それからは、四人で
いろんな話をしたり
私のアルバムをみたり
アメリカでは、両家の顔合わせとか
あるの?
とかを話したりした。
母の手作りのお昼を四人で
食べながら過ごして
私達は、私の実家を後にした。
「式は、アメリカで挙げなさい」
と、父が言ってくれたから
「ちょっと考えてみるね」
と、話した。

ホテルに戻り
ボスと三人で空港に向かった。

ボスは、早く帰りたいと
楽しみのようだった。

私は、メイソンに
『ありがとう、メイソン。』
と、言うと
『愛してる。』
と、返されてクスクス笑ってしまった。
< 20 / 71 >

この作品をシェア

pagetop