···日本へ


新しい年が過ぎて
蒼空は小学生になる。

沙織の両親からは、
勉強机とランドセル

絢からは、
スーツと普段着を
沢山買ってもらった。

入学式に沙織の両親も
参加する予定だったが
メイソンが来ることを
蒼空が望んだから
遠慮することになった。

入学式の前日に
メイソンが日本へ到着した。

沙織と蒼空は空港へ迎えにいく

蒼空の緊張は、ひどくて
沙織が、クスクス笑っていると
「ママっ、笑うなんて。」
と、言うから
「クスッ、ごめんね。
いつもの蒼空じゃないから
つい・・ね。」
と、話していると
到着のアナウンスが入り
ますます、顔の強ばる蒼空・・

実は、沙織も緊張していないわけ
ではないが、蒼空のお陰で
自分より蒼空を気にすることで紛れた。

そんな事を思っていると
自分達の前に人影が
蒼空は、沙織の手をギュっと握る

沙織が顔をあげると
あの頃より少し老けた?
メイソンがいた。

『いらっしゃい、メイソン。』
『久しぶりだね、サオリ。』

『メイソン、ソラよ。』
「蒼空、パパだよ。」
と、沙織が言うと
メイソンは、膝をおりフロアに
膝をつけて、蒼空の目線に合わせると
「ソラ、ごめんね。
一緒に入れなくて。
メイソン・ノア。
君のパパだよ。」
と、言うと・・・
蒼空は、メイソンの首に抱きついて
『パパっ』と、言った。

沙織は、二人の姿に涙が
ツーッと落ちた。

その沙織の涙をメイソンは
空いてる指で拭いてくれてから
メイソンは、蒼空を抱いたまま
立ち上がった。 

蒼空は、ビクッとしたが
「大丈夫、落とさないよ。」
と、メイソンが言うと
蒼空は、メイソンの顔を見た。

蒼空は、メイソンの顔を
見つめながら
みる・・みる・・
顔が歪み・・・
涙がボロボロと溢れた。

メイソンは、一瞬
ビックリした顔をしたが
「ソラ、どうした?」
と、蒼空に訊ねた。

蒼空は、沙織を一度見て
『パパと僕は、似てるんだね。』
と、言うと
メイソンは、涙をいっぱい
瞳にためてから
「だって、俺の息子だから。
それと、ソラは英語上手だね。」
と、メイソンが言うと
蒼空は、涙を拭きながら
『本当に?ママに習ったの。』
「そう、ママから。」
「あっ、パパ、遠いのに
入学式に来てくれて、ありがとう。」
と、言うと
「パパも、ソラの入学式?
みてみたかったから。」
と、話ながら三人で移動した。

メイソンは、ホテルに
泊まる予定だったが
蒼空が、“家に泊まるの”
って、きかなくて
メイソンは、沙織と蒼空のマンションに
泊まる事になった。
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