魔女狩り

-14-


その瞬間をグレイオスは見逃さなかった。


グレイオスはマーダーの後ろに一瞬で回り込み、胴と冑の合間に刃を潜り込ませた。


グレイオスは重装のマーダーの唯一の突破口を即座に見破ったのだ。


王はグレイオスの余りにも鮮やかな身のこなしに目を奪われ、キリクは胸を撫で下ろした。





しかし、これで勝負は決まらなかった。





マーダーはその強力で、グレイオスの刃から無理矢理逃れ、グレイオスに向けて猛進を仕掛けたのだ。


マーダーの力に振り回されたグレイオスは、その攻撃に反応が遅れてしまった。


避けることは叶わなかった。





グレイオスの身体は激しく飛ばされた。








しかし、グレイオスは身を翻し地面に着地するのだった。


グレイオスは無傷だった。


マーダーの猛進を受け止められないと判断したグレイオスは、即座に両手の刃を盾と化し、身を守ったのだ。


その証拠にマーダーの鎧には二本の刃の跡が深く刻まれていた。


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