魔女狩り

ハイゼンを出てしばらく進むと、一向は荒原地帯に出た。


荒原地帯は盗賊の多く潜む場所であったが、騎士団を襲う盗賊などまずいなく、そのため一向は悠々と荒原地帯を進むことが出来た。


この荒原地帯の先にある穏やかな丘の上に目的地であるスサノ村があったが、一向が到着する頃には日も暮れてしまうため、ラウルの指揮のもと荒原地帯でキャンプをとることが決まった。


キャンプは村人に勘づかれてしまわないよう火も使わず、月明かりの下行われた。




ラウルから部隊の面々に今回の作戦の説明が行われた。


「まず、私が村長と交渉をし、魔女であろう者を引き渡してもらう。
…もし、それが叶わなかった場合、強行手段に出ざるを得ないだろう。
全ての女性を捉えよ。
だが、決して殺すな。
私たちは誇り高き騎士団なのだ。
しかしだ…。
余りにも抵抗される場合はやむを得ない。
切り捨てろ。
そして、万が一魔女とおぼしき者がいたならば殺すのだ。
決して逃がすな。
…最後にもう一度言う。
魔女以外の者は決して殺すな。
今も言ったばかりだが私たちは誇り高き騎士団なのだ。
以上だ!」


そしてそれを聞いた部隊の誰もが、ラウルの言葉を頭の中で反復するのだった。


「私たちは誇り高き騎士団なのだ」

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