俺様課長のお気に入り
火曜日、朝6時前。

「ワンワン、ワン」

目覚まし時計より頼りになるケイ君時計に起こされて、渋々目を開ける。
ケイ君のゲージは寝室にあるから、声もよく聞こえるし、姿も見える。

「ケイ君、おはよう」

そう言ってゲージを開けてあげると、嬉しそうに出てくる。
ケイ君と自分用の朝食を準備して食べ、身支度をすませた。


「ケイ君、いってくるね。今日はいい日でありますように。
それじゃあ、留守番よろしくね!」

「ワン!!」

少し寂しそうだけど、まあいつものことと慣れているのか、潔く見送ってくれる。
よし、今日も頑張ろう。



毎日見慣れた景色を、電車の中からぼーっと眺めていると、あっという間に会社のある駅に着いた。
改札を出て歩き出した時……

「あれ?陽菜じゃん」

げっ。この声は……恐る恐る振り返ると、そこにいたのは失礼男!!

「おい、今心の中で〝げっ〟とか〝失礼男〟だとか言っただろ!」

「はい……じゃなくて、なんでここにいるんですか!?」

「アホか。同じ会社に勤めてるじゃないか」

「そ、そうだった……」

「さすが、ちびっ子だな。朝が早い」

「なっ、ちびっ子じゃありません!!それに、ケイ君に起こされるから、自然と朝が早いんです」

「ふうん」

「い、岩崎さんこそ、早いですね」

「引き継ぎやらなんやらで、時間がいくらあっても足りねえの」

「そうですか。それは大変ですね。それじゃあ、私はこれで」

イライラの素からは離れるに限る!!
と、そそくさと逃げようときたら、ガシッと腕を掴まれた。
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