俺様課長のお気に入り
「さあ、少し散歩でもするか」

荷物を片付けて、園内をまわってみることにした。

「天気がいいから気持ちいいね」

「ああ。もう少し寒くなると、外に出るのも億劫だから、今日連れてこられてよかったよ」

「ありがとう。ケイ君もすっごく楽しんでるし」


本当にすごく広い公園で、ドッグラン以外にも遊具のあるエリアや、夏には水遊びができる噴水のエリア、木や花を楽しむようなエリアもあった。
うちの近所じゃないような規模の公園だったから、本当に連れてきてもらってよかった。

そんなことを思いながら歩いていると、足元への注意がおろそかになっていたようで、盛大に躓いてしまった。

「うわっ!!」

「おっと危ない。陽菜は目が離せないぐらい危なっかしいやつだな。ほら」

要君はリードを持っていない方の手を、私に向けて差し出してきた。

「えっと……」

「ほら、早く。手出せ」

そういうことだよね……

恐る恐る、差し出された手に自分の手をのせると、要君はぎゅっと握ってまた歩き出した。
なんか……ドキドキするぞ。

「ケイ、お前の飼い主は、本当に手のかかるやつだな、ケイも面倒見るのが大変だな」

そう言って笑った要君。

「ちょっと、それどういう意味?」

「どういうって、そのままだけど」

くぅ……
手を握られてドキドキしたのは取り消しだ。
やっぱりこの男、私をちびっ子だと思っているな!!



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