蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「土産だ」


 幻覚の蓮司さんがテーブルに置いたのは、京野菜のお漬物の詰め合わせだった。


「お漬物、大好き」

「よかった」


 蓮司さんは少しだけ優しい表情で微笑んだ。


「明日一緒に食べような」

「うん」


 蓮司さんはキッチンの冷蔵庫にお漬物をしまいに行き、ビールを持って戻ってきた。ソファーに並んで腰かけて、彼はビールを、私はカップ酒を飲む。私の手にはかじりかけのイカゲソが握られたままだ。


「いいから食べろよ」

「うん」


 それでも私がためらっていると、彼はイカゲソの袋から一本取った。


「俺も食べるから」

「うん」


 ようやく安心してイカゲソをかじり始めた私は、しばらくして隣の彼を覗き込んだ。


「おいしい?」

「旨いよ」


 彼の返事を聞いてやたらにうれしくなり、私は「ふふふ」と笑いを漏らした。


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