MIYU~シングルマザー二十歳,もう一度恋します~
「う~~~~~~ん……」
美優が悩み,(うな)っていると,裕一が助け船を出してくれた。
「じゃあ,この大きいヤツは僕からってことにしよう。君はそっちを買ってあげたらいい」
「えっ?でも,あなたにそこまで甘えるワケには……」
美優はためらう。彼とは今日,初対面みたいなものなのに(実際,()()()のは今日が初めてだし)。
「いいからいいから。君だって,春奈ちゃんの喜ぶ顔,見たいだろ?だから遠慮しないで,ね?」
美優も春奈の名前を持ち出されると弱い。そこまで押し切られてしまっては,「ノー」とは言えないので。
「……ありがとうございます。じゃあ,お言葉に甘えて。ただし,会計は別々で」
「分かった。じゃ,僕は隣りのレジに並んどくよ」
裕一は頷きながら,自分の財布からクレジットカードを取り出した。
美優が小さい方の,裕一が大きい方のクマさんを抱えて,二人はレジへ。
「裕一さん,あたし今,ふっと思ったんですけど」
「ん?」
「あたしたち二人って,周りからは夫婦に見えるんでしょうかね?」
美優は若干(じゃっかん)照れながら言った。裕一は優しく笑かけながら,それに答える。
「うん,そうかもねー♪」
「…………そうですか」
その様子が何だか楽しんでいるようで,美優はまたちょっと期待を(ふく)らませる。
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