MIYU~シングルマザー二十歳,もう一度恋します~
会計が済むと,別々のレジにいた美優と裕一は,それぞれ同じタイミングで全く同じことを店員に訊かれた。
「ラッピングはどうしましょうか?」
「「お願いします」」
二人が同時に答えたので,美優が会計をした方のレジの若い女性店員が,おかしそうにクスクス笑いながら彼女に(というか二人に?)訊く。
「もしかして,ご夫婦ですか?」
「違います。……今のところは。ねえ,裕一さん?」
「ええ,今のところは。――『未来の』はつくかもしれませんけど」
(……やっぱり夫婦に見えるんだ。っていうか裕一さん,『未来の』って)
結婚,ちゃんと考えてくれてるんだなあ。……美優は,ほんのり胸があったかくなった。
失礼な質問をしてしまったと気にして陳謝(ちんしゃ)する女性店員を,美優は「大丈夫ですから気にしないで下さい」と必死にフォローする。
――ラッピングされたプレゼントが入ったビニール袋を,裕一は美優に渡し,自分は車のキーロックを外した。
「どうせなら,家の近くまで送ってくよ。家の場所教えて?」
「ありがとうございます。家は,恵比寿(えびす)の方です」
「分かった。恵比須ね」
美優から詳しい住所を聞いた彼は,カーナビにその住所を入力し,車をスタートさせた。
プレゼントの袋は,美優が前もって後部座席につんである。春奈が驚き,喜ぶ顔が目に浮かぶ。
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