MIYU~シングルマザー二十歳,もう一度恋します~
彼は今まで交際してきた歴代の恋人とも,今日自分にしたようなことをしていたの?ううん,もっと……進んだこととか?自分が四年前に,春奈を授かった時にしたような?
「……考えるの,やめよ」
美優は,自分の思考がどんどんあらぬ方向に()れていっていることに気づき,ポツリと呟いた。そして,首をぶんぶんと横に振る。
(ダメダメ!これじゃまるで,裕一さんがタラシみたいじゃん!)
タラシ(イコール)女ったらし。でも,彼は違うと信じたい。だって,好きになったから。
コワいのは彼自身じゃなくて,今日一日の展開が早すぎて,これが全部夢だったらどうしよう,と思ってしまうこと。
でも,現実に起きたことなのは明らかだ。
肩からトートバッグを()げた彼女の両手には,裕一と二人で買ってきた娘への(おく)り物の袋を抱えているし,スマホを見れば,連絡先を交換した(あかし)が入っているし。……それに。
頬には彼に触れられた時の手の(ぬく)もりが,リップも何も塗っていない(くちびる)には,さっき(かさ)ねられた彼の唇の感触がまだ残っている。――それこそ,美優が裕一と恋愛関係になったという,最大の証である。
「――っていうか,家に入ろ。みんな待ってるのに,何してんだあたしは!」
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