過ぎた時間は違っても
慶太郎おじさんが理解してくれた事が嬉しくて、久し振りにすっきりとした気持ちで眠る事が出来た。違和感を持ち始めてからずっともやもやしたままだったから、今日は熟睡できるなんて根拠の無い自信が俺の中にあった。

「羽季」

「君は一体・・・?」

次の日の朝、目が覚めると俺はまた泣いていた。でも、いつもと違う事が一つだけ。今日はいつもと違って夢の内容を覚えていたんだ。赤い瞳に白い髪をした、結華おばさんに似た女の子が俺の名前を呼んで手を伸ばして待っていた。
誰なのか分からない、会った事もない女の子のはず。なのに俺は懐かしいと、会いたかったと思っていた。涙が流れるくらい、会えて嬉しがっていた。会った事も、名前も知らないのに何で。
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