過ぎた時間は違っても

「ありがとう、宮間(みやま)さん。助かりました」

「気にしなくて良いって！」

確かバスケ部の部長も宮間だったなんて思いながら助けてもらったお礼を言うと、宮間さんは笑ってくれた。可愛らしい女の子だなんて思いながら話をしていると、どうやらバスケ部の部長はお兄さんらしい。
私にも兄がいるんだと話すと意気投合。その後の休み時間はほとんど一緒に過ごしてくれた。でも、私の評判も耳にしてしまって少し心が痛んだ。
高校の中で私はうさぎの皮を被った悪魔と呼ばれているらしい。たぶん、あの彼が原因だ。入学当初から彼は女子にモテていたから構ってもらえる私に妬みをぶつけている。好きで話し掛けてもらっている訳じゃないのに。どうして私にばかり構うの。