過ぎた時間は違っても

違うんだ

何度話し掛けても結果は同じだった。もう一回勝負をしようと言ってももう嫌だ、バスケ部に入ろうと誘っても部活はしない。何でと訊いても俺にはきっと分からないと言うだけだった。

「羽季、まだあの子に付きまとっているのか?もうそろそろストーカー行為で退学か停学の通知が来るんじゃないのか?」

「・・・参ったなぁ。そういうつもりじゃなかったんだけど・・・」

放課後の部活が始まる前に体を伸ばしていると、部長が俺の最近の行動を心配してきた。確かに最近、俺は彼女に構いすぎているのかもしれない。何としてもまた勝負をしたくて、昼休みにはほとんど彼女の教室に出向いていた。教室にいなくても、見かけたら必ず声をかけてもう一度と頼み込んでいた。でも、それがストーカー行為に見られていると考えた事もなかった。
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