過ぎた時間は違っても
「ありがとう。・・・ねぇ?こんな事も他の子にしているの?」

「早く治してもらって、また君とバスケがしたいんだよ。・・・俺が信じられない?」

冷やかしだと言っているくせにどこか嬉しそうにしてくれている彼女を見ると、元気をもらえた。でも、真剣にカメラを構える姿はいつも以上に綺麗で。写真の時が止まる現象に憧れてしまった。
今、この瞬間をボタン一つで止める事が出来たならと思ってしまったんだ。今という時間を永遠に切り取れたならって。今の彼女を目の中にずっとしまい込めたなら、きっと何も惜しまないで生きていけるのにって。
ただ、普通に考えたら惜しむために流れる時間があるんだよな。惜しいと思うから愛しいと感じる事が出来て、愛しいと思えるから愛しているんだと実感できる。そういうものなんだよな。
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