過ぎた時間は違っても
九章・やっと叶った約束

何でだろう

急に電話するのも悪いかと思ったけれど、明日じゃ怖くて。俺は久し振りに部活も授業も無いのを良い事に唯織へ電話を掛けていた。内容は隣町まで続いている自転車専用の道路を走らないかという謂わば、デートの誘いだった。

「隣町かぁ・・・。良いよ、行った事無いし。何時にどこ行けば良い?」

「本当!?じゃあ準備出来次第そこの入り口に集合!」

「んー、羽季が先に着いちゃうかも。・・・少し遅れるかもしれないけど許してくれる?」

俺たちは下の名前で呼び合う仲にまで距離を縮めていた。でも、決して恋人になった訳じゃない。友達として、バスケの相手をしてくれる事が多くなっただけなんだ。
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