過ぎた時間は違っても
三時に出ると伝えても、四時から準備を始めるような人なんだ。だから私はいつも、三時に出るから一時には出られるようにしておいてと伝える。そうすれば数分の遅れで済むから。でも、私が羽季の扱いに慣れていくにつれて両親は羽季の事を私に任せるようになった。おかげで大迷惑している。

「ねー、何で先に行くんだよー。そんなに急がなくても遅刻しないってー」

「羽季と一緒ならするんだって」

羽季と一緒にいれば自分に得があると知ってはいる。知っているからついてきた時は一緒にいるんだ。
中学生までは私も羽季と同じように激しい運動が出来た。二人で色んな運動に手を出して、得意な物を一つに絞って中学ではそれに没頭していた。でも、羽季は出来るのに私は出来なくなった。
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