過ぎた時間は違っても
中学三年の夏、異常は表れた。最初は特に何でもなかった。髪が光の当たり方で茶色っぽいかなくらいの変化だった。私も気に止めていなかったし、周りからも何も言われないから部活で太陽に当たる機会が増えたのかもなんて思っていた。でも、日を負う毎に色素は落ちていった。
高校に上がる頃には灰色とも薄い茶色とも言い難い不思議な色に変わっていた。目の色も明るくなってしまった。病院ではストレスだと言われた。でも、激しい運動は出来なくなった。医師に言われた訳じゃない。卒業前に中学の後輩とバスケをした時に感じた。
高校は普通に入試を受けた。受験して受かって、普通に入学した。でも、私たちの通う高校はスポーツに力を入れている。スポーツ推薦で入学した生徒や運動神経に長けた生徒は敷地内ではあるものの、別の校舎に通っている。スポーツが出来なくなれば普通の校舎に移れる。
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