過ぎた時間は違っても
髪の色の指定も無い。指定の制服と言ってもスカートやズボンに普段着るようなTシャツで登校しても許されるからほとんど私服登校並みに自由だった。厳しい物があるとすれば人の物を故意に壊したり盗んだりすれば理由がどうであれ停学、人権を侵害するような事をすれば退学くらいだろうか。要するに虐めや暴力、陰口など人として最低と言われている事をしなければ自由でいられる訳だ。

「それで成績は国内一位を誇るんだもんな」

「羽季のお父さんやうちの両親の時から校則は緩かったらしいよ」

母に頼まれた買い出しを羽季と二人で済ませていると、明穂が泣きながら抱き着いてきた。何かあったのか訊いても泣いていて上手く聞き取れない。宥めるために背中を撫でていると、明穂の兄が死角から姿を現した。
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