過ぎた時間は違っても
十二章・体育会の女神
最悪だ
全校生徒の前で目立ってしまう日は突然やって来た。運動部対抗の体育会でバスケ部全員に頼まれたのだ。マネージャー対抗の徒競走に出てほしいと。他にもマネージャーのいない部はあるけれど、他も似たように兄弟や恋人に頼んでいるみたいだった。中には新人教師に頼んでいる部もいる。
「部員の中から出る訳にはいかないんですか?」
「それが、ルール違反なんだよ」
「じゃあ不戦勝とか」
「ここで野球部と差を付けられたら優勝が遠退くんだ!頼む!」
ため息混じりであったとしても、分かったと言うしかなかった。頭を下げられるだけならまだしも、武弘さんに必死にお願いされちゃ断る方が心が痛い。
「部員の中から出る訳にはいかないんですか?」
「それが、ルール違反なんだよ」
「じゃあ不戦勝とか」
「ここで野球部と差を付けられたら優勝が遠退くんだ!頼む!」
ため息混じりであったとしても、分かったと言うしかなかった。頭を下げられるだけならまだしも、武弘さんに必死にお願いされちゃ断る方が心が痛い。