過ぎた時間は違っても
強い人たちなんだなってそう思う。それか、悲しみを隠す事に慣れてしまったのか。唯織の両親も俺の父も成人する前に両親を亡くしていると聞いている。唯織の父親の父親は生きているらしいけど、縁を切っているからいないに等しい。生まれてから会った事も無い。

「羽季、暇?」

「んー?どうしたー?」

「・・・一緒に寝ても良い?」

小学校ぶりだなって思ったけど違う。同じ布団ではないものの、同じ部屋で寝るのは今でもよくやる。でも、課題や作業をしていてそのまま眠ってしまうという事がほとんどだった。一緒に寝て良いかと断ってから同じ部屋で寝るのは十年ぶりくらいだろうか。
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