過ぎた時間は違っても
ただ、直してほしい訳じゃないとも伝えた。可哀想だけど、気付いていないだけで皆喜びの方が多いように出来ているから。

「・・・俺を恨んでいるのか?」

「それは・・・どういう意味でしょうか・・・?」

男の人は私が自分の所へ来れるよう仕向けるためにわざとあの病気になるようにしたと説明してくれた。事故死や他殺だと苦しんでしまうから、一番苦しみを伴わない死に方であってほしいと願ってくれたらしい。だから、私を殺した自分が憎いのかと。だから自分に何も要求してこないのかと。
別に恨んでいる訳じゃない。この人が本当に神様だったとしても病気にしただけというような説明だった。だから、与えられた苦難を乗り越えられるかどうかは与えられた人次第なんだと思う。
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