過ぎた時間は違っても
「元々、その男の母親が姉妹の家に帰っていたのはお前が母親の腹の中にいたから自分の心配までさせないため。だからお前の存在が無くなった事で同時期に妊娠していたという事実も無くなって、男の母親も帰る理由がなくなり事故を免れたという訳だ」

「良かった・・・」

「問題もあるがな」

「どういう事ですか?」

男の人が指を鳴らすと時が進み、高校に着いた。羽季がいつも通り部活動をしているし、明穂の兄も相変わらず的確な指示は出せるのに頼りない雰囲気をしていた。そう言えば、来栖先輩がいない。私の存在が消えて転入する意味が無くなったとか。
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